■ はじめに:感情で繋がる関係から、意志で築く関係へ
前回は、「真の自己」とは感情にただ流されるのではなく、「意志」をもって選択できる存在なのではないか、というお話をしました。無意識の脚本から自由になり、自身の内なる声に耳を澄ませ、主体的に「こう在りたい」と選び始める——。
しかし、この内なる変化は、必然的に私たちの人間関係にも静かな、しかし確かな影響を及ぼし始めます。
これまで私たちが無意識のうちに築いてきた関係性の多くは、「感情の反応」に基づいていたのかもしれません。
- なんとなく気が合うから、一緒にいる。
- 不安だから、相手に確認や保証を求めてしまう。
- 寂しいという感情に突き動かされて、誰かと繋がろうとする。
- 怒りを感じたから、反射的に距離を置いてしまう。
これらはごく自然な心の動きです。しかし、「真の自己」と繋がり、感情に気づきながらも「意志」で行動を選び始めると、こうした感情ベースの関係性に、ふと違和感を覚えたり、これまでとは違う関わり方を模索し始めたりする瞬間が増えてくるのではないでしょうか。
なぜなら、あなたの選択の基準が、「その瞬間の感情を満たすこと」から、「長期的な信頼や、互いの成長に繋がる在り方」へと、少しずつシフトしていくからです。
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