濃縮

沈黙までデザインする──対話は“場”が語らせる

私たちは、言葉以前の“場”と対話している

「私たちは、目の前の相手と、言葉を交わしている」——誰もが、そう信じています。

しかし、もし、その常識が、私たちのコミュニケーションの本質を見えなくさせているとしたら、どうでしょうか。私は、これまでの探究を通して、むしろこう考えるようになりました。

私たちは相手と言葉を交わしているつもりで、実のところ、その二人を取り巻く「場(フィールド)」とこそ、対話しているのかもしれない、と。

なぜなら、私たちは皆、経験的に知っているはずです。

  • 全く同じ言葉を発したとしても、話す場所や、そこにいるメンバー、その瞬間の「空気」が変われば、その言葉の受け取られ方、通じ方は、全く異なるものになること。
  • そして、会話の中で生まれる、あの気まずい、あるいは意味深な「沈黙」という名の“空白”が、時に、どんな雄弁な言葉よりも、驚くほど雄弁に、その後の会話の方向性を決定づけてしまうことがあること。

ここに、私が長年、そしてこれからも探求し続けるであろう、「場の哲学」が立ち上がってきます。対話とは、決して「個人 × 個人」という二者間の閉じた関係性の中だけで完結するものではありません。それは、〈語り手 + 聞き手 + その二人を包む場〉という、三項関係の中で初めて、その本来の機能を果たし、生命を宿すのです。それが、私の揺るぎない立脚点です。

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濃縮マーケティングの哲学──“薄めない”価値提供で、本質を求める人とだけ深く繋がる

「出会いの質」を、最大化するという思想

「マーケティングとは“売りつけ”ではない」

「それは、必要な人に、必要な価値を届けるための、最適な“出会い”を設計する営みだ」

前回までの記事で、私は自身のマーケティングに対する基本的な考え方をお話ししてきました。しかし、今回はそこから、さらにもう一歩、いや、もっと深く、私の仕事の核心にある思想について、言葉にしておきたいと思います。私が、クライアントの事業と向き合うとき、そして自分自身の探究を社会に届けるときに、常に心がけているアプローチ。私はそれを、“濃縮マーケティング”と名付けています。

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なぜ稼いでも虚しい?ビジネスの違和感を解消する「自己探究」という働き方

■ はじめに:なぜ“儲かる”だけでは満たされないのか?

「とにかく稼ぎたい」「売上さえ上がればいい」

——そう信じてビジネスという航海に出たはずなのに、ある程度の成果という名の島にたどり着いたとき、ふと心をよぎる言い知れぬ空虚さ。それは、「数字はたしかに伸びている。でも、私の心は動いているのだろうか?」という、無視できない違和感。

私は、そんな“モヤモヤ”と真正面から向き合い続けてきました。そして、こう確信しています。

これは単なる金儲けのゲームではありません。自分の「軸」や「本音」、そして心の奥底にある「感情」の声に耳を澄ませながら、マーケットという他者との【共鳴点】を探っていく、極めて人間的で、時に繊細さが求められる営みなのです。

■ 成果の向こう側にある問い:「これで、よかったのだろうか?」

私が直近で関わっているプロジェクトも、数字だけ見れば順調です。月商600万円を超える月もあります。傍から見れば、「成功」しているように見えるでしょう。

ですが、私はそこで立ち止まります。思考を巡らせます。

「たしかに売れている。手応えもあります。でも、これって本当に“私が届けたいと願ったもの”だったのだろうか?」

まるで、与えられた役を演じながらも、「本当にこの役を演じたいのか? この舞台で表現したいことは何だったのか?」と自問する俳優のように。

この違和感。これこそが、私がビジネスを単なる作業ではなく、“自己探究”と呼ぶ理由です。売上という結果だけでなく、そのプロセスにおける自分自身の心の動き、感情の揺らぎにこそ、次への道標が隠されています。

■ 感情はノイズではなく、内なる声を聞く“羅針盤”

ビジネスの世界では、感情はしばしば「邪魔なもの」「非合理的なノイズ」として扱われがちです。冷静な判断を鈍らせる、と。

でも私は、「感情こそが意思決定の“羅針盤”になる」と考えています。

たとえば、

「売上は伸びているのに、なぜか心がザワつく」
「プロジェクトは進んでいるのに、どこか満たされない」

こういう状態は、単なる気分の波ではありません。「感情のサイン」なのです。私はそれを受け止め、深く掘り下げていきます。「なぜそう感じるのか?」と。

私にとってビジネスは、「感情という内なるデータベース」にアクセスし、自己理解を深め、次の一手を見つけるための、生きたプロセスそのものなのです。心理学や哲学の知見も借りながら、自分の内面と対話し続けるフィールドです。

■ 「売れる」と「信じる」。その重なりを探し続ける旅

私が一貫して大切にしているのは、「マーケットで受け入れられること(売れること)」と「自分の信念・届けたい価値」が交差する“一点”を探し続けることです。

そのために、私は日常的に“静的な行為”を取り入れています。

  • 読書: ビジネス哲学、歴史、心理学…先人の知恵と思考に触れます。
  • 対話: 探究講座の仲間やクライアントと、オープンに対話を重ねます。
  • 内省: 自分の感情を丁寧に棚卸しし、言語化します。(モーニングノートもその一つです)

これらは決して遠回りではありません。むしろ、本質にたどり着くための最短距離だと信じています。

私にとって、「売上の最大化」は究極の目的ではありません。
「この商品・サービスは、本当に自分が届けたいものなのか?」
その問いへの答えが、心の底から「YES」と言える状態。その確信こそが、私にとってのビジネスの成功です。「精神的な充実」と「物質的な現実」が統合された地点を探す旅なのです。

■ 「どう売るか?」の前に、「どう在りたいか?」を問う

一般的な経営者が「どうすればもっと売れるか?」という問いに腐心するとき、私は自分自身にこう問いかけます。

このスタンスが試されたのが、「THE濃縮塾」の運営について悩んだときのことです。メンバーが離れていく現実に、一瞬、心が大きく揺らぎました。「もう、やめてもいいのかもしれない」とすら思いました。

でも、実際に会場で参加者たちと対話を重ねる中で、腹の底から声が聞こえてきたのです。

「ああ、やはり、これが私の役割なのだ」と。

“売上のため”ではありません。“自分の存在意義を確かめるため”に、私はこの場を続けています。

この揺らがない軸があるからこそ、私の言葉や企画は、表層的なテクニックを超えて、誰かの心に深く響くのかもしれません。そう信じています。

■ おわりに:これからの時代に求められる「自己探究型ビジネス」という羅針盤

これからの時代、AIがマーケティングをこなし、情報は溢れ、ノウハウはコモディティ化していくでしょう。そんな中で、本当に価値を持つもの、差別化されるものは何か?

それは、「その人だからこそ、やる意味があるビジネス」
言い換えれば、「自己探究と深く一致したプロジェクト」だと私は思います。

私が体現しようとしているのは、まさにその生き方です。

ビジネスを自己探究の旅路と捉えるこのスタンスこそが、正解のない、変化の激しい時代を生き抜くための、一つの“羅針盤”になる。私はそう信じていますし、これからもその道を歩み続けたいと思います。

売ることへの抵抗が消える「濃縮思考」の秘密

こんにちは、TOSHIです。

「売ること」に対して、
どこか抵抗を感じていませんか?

価格を伝える瞬間、心がざわつく。
「高いと思われたら…」
「押し売りだと感じられたら…」
そんな不安が頭をよぎり、自信を持って伝えられない。

もしそうなら、
今回の話が大きな転機になるかもしれません。

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