■ はじめに:「また、このパターンか…」言い争いの奥にある、見えない脚本

「どうして、いつも私たちの会話は、同じような喧嘩になってしまうのだろう?」

「良かれと思って、自分の考えを伝えたつもりなのに、なぜか相手をさらに怒らせてしまった…」

「この関係、最近どこか息苦しくて、心からの対話ができていない気がする…」

恋人や夫婦の間で、あるいは親子、職場の同僚といった、私たちにとって身近で大切なはずの関係性の中で、なぜ私たちは、しばしば“同じようなパターン”の衝突を繰り返し、そのたびに同じような不快な感情を味わい、そして同じような後悔をなぞってしまうのでしょうか?

この根源的な問いは、単なるコミュニケーションスキルの問題として片付けられるものではなく、むしろ、“私たち一人ひとりという存在の、より深い心の構造”に、そして、知らず知らずのうちに私たちが演じてしまっている“無意識の人生脚本”に、深く関わる重要な探究テーマだと、私は考えています。

私はここで、まずこう問いかけてみたいのです。

その、相手を言い負かそうとする“「正しさ」の主張”は、本当に、お互いの理解を深め、関係性を豊かにするための“対話”のためにあるのでしょうか? それとも、心の奥底にある何かを守るための、無意識の“防衛反応”なのではないでしょうか?

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