■ はじめに:「答えの出ない問い」が、かつては苦痛の源だった
「探究とは、問いを持ち続けることだ」——これまで何度か、そんなお話をしてきました。しかし、正直に告白しますと、かつての私にとって「問い」とは、むしろ“不安”や“焦燥感”の源泉でした。
明確な答えがすぐに見つからないこと。
白黒はっきりとした結論に、なかなか辿り着けないこと。
言葉にできない複雑な感情を、整理できないまま抱え続けていること。
そうした状態が、当時の私にはとにかく“気持ち悪く”、耐え難いものとして感じられたのです。一刻も早く「正解」を見つけ出し、その居心地の悪さから逃れたいと、常にもがいていたように思います。
けれど、探究という名の旅を続ける中で、今は全く違う景色が見えています。
「わからないまま、問いを持ち続けることができる」ということ。それ自体が、実は、何にも代えがたい深い癒しと変容への入り口だったのだと、心の底から感じるようになったのです。
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