■ はじめに:「選べる自由」が、かえって私たちを不自由にすることがある
現代は、かつてないほど多くの選択肢にあふれた時代だと言われます。働き方、住む場所、日々の食事、消費する情報、そして人生のパートナーに至るまで——私たちは、原理的には「自由に選べる」という、恵まれた環境に生きているはずです。
それなのに、なぜ多くの人が、心の中でこんな風に感じてしまうのでしょうか。
「どれを選んでも、結局は“正解”ではなかったような気がする」
「何かを選んだあとで、必ず『もっと良い選択があったのではないか』と後悔の念に駆られる」
「選択肢が多すぎて決めきれず、そんな自分に自己嫌悪を感じてしまう」
なぜ、私たちはこれほどまでに“自分の選択”に心から満足することが難しいのでしょうか? この根源的な問いに対して、心理学や行動経済学の研究が示すいくつかの興味深い知見に触れつつ、私の視点から「選択における本質的な満足感とは何か、そしてそれはどのように育まれるのか」というテーマを掘り下げてみたいと思います。
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