■ はじめに:「特別な場所」ではなく、「特別な空気」が人を変える
人が、普段は心の奥底にしまっているような本音を、安心して語り始めることができるとき。
あるいは、難しい問題に対して、思いもよらないような創造的な解決策が、まるで自然に湧き上がってくるとき。
そのような瞬間が訪れる「場」には、一体何があるのでしょうか?
豪華な会議室でしょうか? 洗練された議題でしょうか? いいえ、必ずしもそうではありません。むしろ、最も本質的な要素は、もっと目に見えない、しかし確実に感じ取れるものの中にあります。
それは、“不用意な沈黙を怖れる必要がないという暗黙の空気”であり、“何を語っても、頭ごなしに否定されることはないだろうという深い確信”なのです。私がこれまで創り出してきた探究講座などの場が、なぜ参加された方々の内面に静かな、しかし確かな変化をもたらすことがあるのか? もしその理由を探るとすれば、そこで交わされる特定の情報や知識の内容以上に、その場全体を包み込んでいる“空気感”、そして、その空気感を醸成する“ファシリテーター(私自身を含む)の在り方そのもの”に、大きな秘密があるように、私は感じています。
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