From. TOSHI
「ヒヤリングがすべてです。
お客様の話をしっかり聞きましょう」
研修でも言われたし
優績者(よく売っている人)の
アドバイスでも言われる。
だから、一生懸命聞こうとする。
……が、うまく聞けない。続かない。
「今日の相談はどんなことでしょうか?」
『医療保険を検討していて・・・』
「他には考えていることありますか?」
『いや、特にはないですね』
「じゃあ、医療保険を見積もってみましょう」
これはダメなパターンのヒヤリングだ。
ダメなのはわかっている。
全然、何も聞けていない。
だからと言って、どうしろというんだ。
何の発展のさせようもない。
「心配なことはありますか?」
と聞いてみたこともある。
もちろん、答えは
「怪我したり病気になったときが心配ですね」
もしくは
「保険料が高いと困りますね」
だ。
なにもそこから話はふくらまない。
、、、、、
私が保険を売っていたときの話です。
結局、その仕事を辞めるまで
ずっとヒヤリングはそんな感じでした。
それでも売れないわけではなかったですが、
全然ダメですよね。
ヒヤリングとか「話を聞く」というのは
「質問する」だけではないし、
相手があらかじめ用意してきたセリフを
言ってもらうことでもないのです。
ここがわかっていませんでした。
話をすることによって
はじめて出てくる言葉を聞く、というか
相手が自分ひとりでは言葉にできなかった
本当の気持ちを聞く、というか。
たしかに説明が難しいです。
だから、研修の講師も優績者の先輩も
「ヒヤリングが大事だ」
と言ったのでしょう。
今ならわかります。
確かに、その通りだ、と。
では、どうしたらそんなことが可能なのでしょう?
これだけではないのですが、
まずは「ラポール」という
関係性を築く必要があります。
安心して、心をオープンにして話してもらえる
そんな関係性と言えるでしょうか。
だから雑談をすることも
第一印象のために身だしなみを整えることも
第一声の挨拶も、すべて大事なのですね。
販売・セールスの場面で
「ヒヤリングが大事」というのは
こういうことなのだ、と私は理解しています。
そして、カウンセリングやコーチング、
コンサルティングなどの場では
さらにその重要性は上がるでしょう。
テクニック的なことを言えば
雑談や身だしなみなど、ということになるでしょう。
ただ、本質は「自分を知ること」です。
自分自身のことがよくわからないで
他人を理解するなんて土台無理な話でしょう。
セールスやコーチ、コンサルなど
人と深く関わる人ほど
特に探究を深めてほしいと思っています。