「売るものが決まっていない」は情報発信を始めるときデメリットにならない

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こんにちは、TOSHIです。

私はブログを使った情報発信について教えています。講座に入った方や一般の方の相談にのらせていただく機会も多いです。

困っていることや悩んでいることなど課題を話してもらうのですが、私からすると「なんでそれが問題なのかわからない」ということも実は多いのです。その一つが今回取り上げるものです。

「売るものが決まっていないから情報発信ができない」
「売るものがないのでブログが書けない」
ということで情報発信が進まない、もしくは取り組みを始めることができない、という方がかなりいらっしゃいます。

しかしこれは問題ではありません。むしろメリットですらあるのです。

商品・サービス

売るものを決めて始めたら大失敗

私が起業して自分でビジネスを始めた当初は、何をやって良いかわからずに、様々なスクールや塾に入ったりして、お金と時間を浪費するだけでした。そんな苦労の中でもなんかと結果を出せたのが、ブログからの情報発信ビジネスです。

ここで「結果を出した」という言葉の意味を明確にしておきましょう。「売上をあげることができた」ということです。

いろいろなことに手を出したにも関わらず他のものは鳴かず飛ばずで売上をあげることがまったくできなかったのですが、ブログからの情報発信では売上をあげることができました。

ここだけ見れば「成功」と言えるかもしれませんが、そんなことはありませんでした。投資関係の情報発信をして、そこから教材やコンサルティングなどを販売して売上をあげていたのですが、結局このビジネスは続けていくことがしんどくて辞めてしまうことになるのです。

真面目なトレードを教えたい

私は学生時代から株式投資やFXのトレードをしていました。「投資」というと月単位や年単位で保有して差益や配当益を狙うものですが、「トレード」は短期売買です。チャートパターンを読んだり、ちょっとした変化をとらえての値動きから差益を狙います。

「楽な」トレードがあるのかもしれないですが、少なくとも私がやっていたトレードはとても「苦しい」ものでした。大事な場面では、他のことをかなぐり捨ててチャート画面にずっと張り付いていないといけなかったりします。1日中画面に張り付いていても、1円にもならなかったり、むしろマイナスが出てしまったりすることもザラです。また、自分自身の欲望と向き合うことになります。必ずあらかじめ決めた通りにトレードしないといけないので、「もっと上がるはず」とか「損失をなんとしても取り戻したい」とか、そういう根拠のない希望や射幸心と戦わないといけません。ものすごく精神力を消耗します。

実際、私はもうトレードを一切やっていません。ビジネスを自分でできるようになった今となっては、割に合わないと感じているからです。お金だけ見ればトレードの方が大きく稼げるかもしれませんが、ビジネスの方がずっと楽しいのです。

しかしそうは言っても、ストイックにやれば「稼げる技術」には違いなく、当時の私は「価値あるもの」だと思っていました。だから、これを教えることをビジネスにしたいと考えたのです。

このトレードを教える教材を作成したり、直接指導するコンサルティングを販売しようとしました。そのための情報発信を始めたのです。ブログで情報発信をして、さらに販売につなげるためにメルマガも取り組みました。

ストイックに真面目なトレードをしたい人はいなかった

半年くらい取り組んで、集客から販売の仕組みができ、教材を買ってもらうことができました。1年弱でコンサルティングのクライアントもできました。ここだけを切り取れば大成功です。

でも、「来てほしいお客さん」ではありませんでした。

私が教えたいと思っていた「ストイックに真面目にやるトレード」を望んでいる人ではなく、ほぼ全員が「楽して儲ける方法を知りたい」人でした。トレードを片手間にやりたいし、トレードのための勉強なんて真剣にやりたいとも思っていないような人たちばかりがお客さんになってしまったのです。

もちろん、今となって振り返ってみれば、私の情報発信の仕方が良くなかったということは多分にあります。「ストイックに真剣に取り組まないと良い結果は出ない」ということが正確に伝わっていなかったということになります。言ってはいましたし、何度も記事に書いたりメルマガに書いたりしてはいましたが、本当の意味での理解には到達していなかったのでしょう。

ただ、それ以前に「ストイックに真面目にトレードがしたい」なんてニーズは世間には無かったのです。実際、私自身もそれがしんどすぎて辞めてしまったわけですから、当然と言えば明らかすぎるほど当然です。

今改めて振り返ってみて、ものすごく恥ずかしいのですが、自分でも嫌で辞めてしまうようなものを「押し売りしようとしていた」ということになります。残念なことです。反省しています。

私が提供していたものは、お客さんが望んでいたものとはまったく違うものだったのです。当たり前ですが、クレームも多かったし、中にはサービス提供したにも関わらず返金することになるケースもありました。

私としてはストレスが大きすぎました。売上があがるという結果は出てはいたけれども、継続していくことが精神的に苦しくなってしまって辞めたくなったのです。

普通であれば、ニーズに合わない商品は売れないでしょう。私の場合は、変にテクニックがあったがために、売れてしまったというのも悲劇でした。

本当に売るべきものは読者が教えてくれた

投資関係の情報発信をやめて、私は途方に暮れてしまいました。何を売ればいいのかわからないですし、そうなるとどんなビジネスをして収入を得ていけばいいのか、さっぱり見当もつかなくなってしまったのです。

そんなとき、答えをくれたのは読者でした。

「ブログの書き方を教えてください」

ブログやメルマガを運営していると、読者からいろいろなメッセージをもらいます。この当時は投資関係の情報発信をしていたので、当然ながら投資関係の問い合わせや相談がほとんどでした。更新が止まってしまっても、ブログ自体は残っているので、メッセージは急には止まりませんでした。

そんなメッセージの中にまぎれて、
「ブログの書き方を教えてください」
というものが来ました。

ブログを使ってビジネスを始めたいので、そのやり方を教えてほしい、というものでした。私は確かにブログを使ってビジネスをしていいたわけですが、「それ自体を教えてほしい」と言われたのは初めてでしたし、私自身にそんな発想もありませんでした。

でも、「やってみよう」と思いました。これが大きな転機となったのです。

私は投資関係の情報発信をして、売上をあげるところまではできていました。「投資だからうまくいった」というわけではないはずでした。だから私のやり方を伝えて、結果を出してもらえる自信はあったのです。

このメッセージをくれた方には「ブログでの情報発信ビジネスを教える」コンサルティングをすることになりました。この方は美容・健康ジャンルでブログを運営していったのですが、半年もすると売上があがるようになりました。もちろん、このクライアントがものすごく頑張ったから、という要素は大きいです。ですが、私としても大きな自信になりました。

読者のニーズを知ることができた

あるとき、このクライアントに聞いてみました。「なぜ、私にブログを教えてほしいとメッセージを送ったのか?」このクライアントは投資関係にはまったく興味がない様子だったので、そこも不思議だったのです。

「正しいやり方を教えてもらえそうだと思った」ということを言ってくれました。ブログの記事をいくつか読んでいるうちに、そう感じたとのことです。確かに言われてみると、私のブログは投資関係の情報発信をしていたのですが、投資関係の情報に混ざって「情報はこう伝えるべきだ」のようなことも発信していたのです。「情報発信のスタンス」のようなものでしょうか。

私が持っている価値観を伝えていたのです。どうやら、この部分に共感してもらえたようでした。

次に私がおこなったのは、メルマガでアンケートを取ることでした。「ブログなどの情報発信に興味のある方はクリックしてください」という簡単なアンケートを実施したと思います。

このときの私には本当に意外なことだったのですが、数十名もの方がクリックしてくれました。なんとなくクリックしてしまった人も含まれるでしょうけど、確実にニーズがあることはわかりました。

このときを境に、情報発信の軸を変えて、発信を再開しました。ブログなどの情報発信ビジネスについて、ブログとメルマガで発信していくことにしたのです。その数か月後には、現在の『濃縮ブログマスター講座』の前身である『濃縮ブログアフィリエイト講座』を募集して、1000万円を超える売上をあげることになります。

本当に売るべきものは見込み客が教えてくれる

私がやってしまった失敗は、最初に「自分が売りたいもの」を前提にして、それを売るための仕組みを作ってしまったことです。

投資関係の教材やコンサルを売るために、ブログで情報発信をして、メルマガでさらに深い情報発信をして、販売につなげるようにしていました。売れてもお客さんのニーズとは合わず、破綻してしまいました。

正解は、読者が教えてくれました。私に求められていたことは、「情報発信を教えること」だったのです。

私の場合は奇跡的に、ある一人の読者が教えてくれました。しかし、奇跡に頼る必要なんてまったくありません。集まった読者に聞いてみれば良かったのです。

集まった人に聞くことが正解

私はもっと早くに、ブログやメルマガに集まってくれていた人たちにニーズを聞くべきでした。私の情報発進に何を求めているのか、前提無しに聞いてみれば良かったのです。

ニーズのないものを販売しようとするのは、単なる「押し売り」です。

ニーズを生み出したり育てたりすることは、もちろんマーケティング活動として可能なことではありますが、ビジネス初心者がいきなりやるのはハードルが高すぎます。まずは目の前にあるニーズに着実に応える商品・サービスを提供するのが良いでしょう。

では、集まった人にニーズを聞くとして、どうやって人を集めるのか? どんな人を集めるのか?

価値観を伝えてまず人を集める

私は「価値観を伝えるべし」と言っています。「価値観」と言ってしまうと、堅い感じがして難しく感じてしまうかもしれません。普段考えていることや、感じていること、と言い換えても良いと思います。

別の言い方をすると、「自分のことを知ってもらう」ということです。「私はこういう人間なんだ」ということを、いろいろな角度から発信していくということになります。

原則として、発信する内容に共感する人だけが読者として残ってくれます。価値観を発信していると、自分の価値観に近い人だけが集まってくれるのです。

そういう人にニーズを聞くのが正解です。

価値観の合う人を集めてニーズを聞く

簡単に言ってしまうと、
「価値観の合う人を集めて、ニーズを聞く」
という流れになります。

そのニーズを満たす商品・サービスを提供すれば、少なくとも「押し売り」にはなりません。価格的な問題はクリアする必要はありますが、「欲しい」と言っているものを提供することになるので、買ってもらえる可能性は抜群に高くなりますし、買ってくれたお客さんに満足してもらえる可能性も圧倒的に高くなります。

もし、聞き取ったニーズに自分が応えることができない場合には、そのニーズに応えられる商品や人を探してきて紹介すれば良いです。

紹介してつないであげて、紹介料をいただけば良いのです。お客さんはニーズを満たす商品・サービスが手に入ります。商品・サービスを提供する人は、ニーズを満たせるお客さんを獲得することができます。そしてあなたは、お客さんと商品提供者の双方に喜んでもらいながら、紹介料をいただいてビジネスを成立させることができます。

「売るものが決まっていない」のはメリットである

以上の話から、「売るものが決まっていない」というのはデメリットではなく、メリットにしかならない、ということを理解していただけたと思います。

ここで釘を刺しておきたいのは、私は決して「売りたいものがあってはダメだ」と言っているわけではない、ということです。売りたい商品・サービスがある場合には、それに向けて情報発信をしたり、マーケティングの仕組みを作っていくことになります。

ただ、私と同じ失敗に陥らないようにするために、必ず集まった人にニーズを聞くというプロセスは踏んでほしいです。

ニーズがズレている場合には、その時点で修正してください。ほんのちょっとの修正で済むかもしれないし、もしかしたら大幅な修正が必要になるかもしれません。

いずれにしても、「押し売り」をしないで済みます。後から「こんなはずではなかったのに」と、致命的な穴に落ちこむことも無いでしょう。

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