ビジネスに大事な「マインドセット」とは何なのか?

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こんにちは、TOSHIです。

ビジネスで成功するには「マインドセットが大事だ」と言われます。

私もたくさんのビジネス講座に参加してきましたが、ほとんどの講座で冒頭はマインドセットに触れられました。「マインドセット」という言葉は使われないにしても、それに類するようなことに触れられるケースも多いです。

ある講座では「マインドセットが8割」ということが言われたこともありました。マインドセットがしっかり出来上がっていればほとんどビジネスは成功したようなものだ、という意味です。

「マインドセットが大事」ということには私も同意します。ただ、そもそも「マインドセットとは何なのか?」が語られていないし、説明されていないと思っていました。

この曖昧な「マインドセット」について、私の見解を述べていきます。

マインドセット

「マインドセット」のよくある誤解

「ビジネスにはマインドセットが大事だ」ということは多くの場面で語られています。特に、初心者向けの講座でそれが語られることが多い傾向があるように思います。

講師も実はよくわかっていない

それを語っている講師自身もマインドセットについてよくわかっていないのではないか、と思わざるを得ないようなことも多々あります。実際、わかっていないでしょう。

というのは多くの場合、ビジネスでうまくいった人は、もともとマインドセットが出来上がっていたからです。ビジネスに取り組むにあたってマインドセットを整備したのではなく、その時点でマインドセットは整っていた可能性が高い、ということです。

■マインドセットがとっくにできていたから成功した

ビジネスで成功した人の話を聞いたりすると、大抵そのビジネスは初めての経験ではありません。ビジネス自体は初めてだったとしても、それに類する経験をしていたりします。

それは、会社員として勤めているときにプロジェクトを率いた経験かもしれません。店舗の責任者を任された経験かもしれませし、営業成績で上り詰めた経験かもしれません。学生時代に部活のキャプテンで部員をまとめた経験かもしれませんし、何らかの慈善活動に取り組んだ経験かもしれません。

いずれにしても、成功したビジネスに取り組む以前に、何かの経験によって望ましいマインドセットが形成されていた場合には、そこで敢えてマインドセットには取り組んだりはしません。だから、「ビジネスに取り組むにあたってマインドセットをする」ということは語れても、そんな経験はないので理解はできていない可能性が高いのです。

こういう講師がマインドセットを語ると、精神論になってしまいます。

マインドセットは精神論ではない

私自身もたくさんの講座やビジネススクール等に参加してきましたが、そこで語られる「マインドセット」は精神論でした。精神論というのは、「自分を追い込んで行動に駆り立てる」ものです。

「腹を括る」とか「覚悟を決める」なんていうのは、完全に精神論であってマインドセットではありません。私が聞いた中で一番衝撃的だったのは、「今日やる予定だったことが終わるまで寝るな」というものでした。

精神論でもうまくいく人はいるでしょう。けれども、あくまでも「短期的に」だと思っています。一時的に何らかの成果を得ることはできるかもしれません。が、それを維持することはできません。

自分自身を精神的に追い詰めて行動を指せ続けることは現実的ではないのです。

自分を追い込んで成果を得ても息切れして行動が止まってしまいます。そしてしばらくして、また自分を追い込んで……のパターンの繰り返しで、これはとてもしんどいですし、ビジネス自体も「動いて」「止まって」の繰り返しになるので発展しにくいということになります。

ビジネスに必要なマインドセットとは何なのか?

それは、「安定した心の状態を保てるようにすること」だと考えています。

ビジネスに取り組めばいろいろなことがあります。思うようにいかないことも、予想外のトラブルに見舞われることも、日常茶飯事です。そんなときにいちいち落ち込んで、行動を止めてしまったらビジネスが成り立ちません。

マイナスの精神状態に陥って行動を止めないこと

ビジネスを進めていくうえで大事なことは、気持ちのアップダウンの起伏をできる限り減らすことなのです。気持ちが盛り上がっているときに無理に押さえつける必要はないですが、しかしその反動で大きく落ち込むことは避けなければなりません。

いかに気持ちがマイナスの状態に陥らないか、マイナスに陥ったとしてもすぐに復活できるか、ということが重要です。

マインドセットとして必要なことは、「行動を継続できるマインドを作ること」です。短期的に行動に追い立てることではありません。

ですから、この点でいうとマインドセットというものは「メンタルを整えること」と言っても良いかもしれません。精神論で自分自身を追い込むことではなく、何事にも動じないメンタルを作ることが何よりも大事なのです。

ビジネスには淡々と取り組むべき

これはもしかしたら意外に思われるかもしれませんが、ビジネスには淡々と取り組むべきです。

強く感情に火をつけて燃えるような状態でビジネスに取り組むことを、特にまだビジネスに取り組んでいない人は想像しがちです。が、実際に始めてみると、最初はそうだったとしてもそんな状態は続きません。

ずっと熱く燃えて情熱的にビジネスに取り組んでいけるのはスティーブ・ジョブズのような一握りの天才だけで、そんな人はとっくにビジネスで結果を出していることでしょう。マインドセットなんかで悩んでいたりはしないし、こんなところでこんな記事を読んだりもしないでしょう。

一生続けていきたいと思えるビジネスをすべき

ビジネスはある限られた期間だけ、全力疾走して成果を出して終わりにするものではないはずです。もちろんそういうビジネスの仕方もあるでしょうけど、多くの方が取り組もうとしているビジネスは、そうではないはずです。長い期間、できれば一生に渡って取り組んでいけるような、ライフワークともいえるビジネスではないでしょうか。

私としては、ビジネスに取り組むのであれば、「一生続けていきたい」と思えるものに取り組むべきだと思っています。

ビジネスに取り組んで進めていく中で、変化することは当然あり得ますし、それが自然なことではあります。しかし少なくとも最初の段階で「長く続けるつもりはない」ビジネスに、わざわざリスクを取って取り組むことはないと考えます。時間もお金ももったいない。そこに情熱をつぎ込むのももったいない。

正しいマインドセットを手に入れるには?

では、どうすれば望ましいマインドセットを手に入れることができるでしょうか。何事にも動じない、マイナスの精神状態に陥ることのないメンタルを手に入れることができるのでしょうか。

TOSHIがマインドセットした方法

■ビジネスに活かせる経験はほぼ皆無だった

私は2014年に起業するまでは会社員でした。契約社員だった期間も長く、正社員になってからも平社員でした。だから、プロジェクトを率いた経験もなく、ビジネスのマインドセットを醸成する場もなかったと思います。もちろん、それ以前も特にビジネスに活かせる何かを得られる場面はほとんどありませんでした。

起業した当初、「マインドセットがまったくできていない」自覚がありました。セミナー等でマインドセットが語られたときよりも、実際に成果を出している講師や実績者の話を聞いたりする中で、自分との違いを思い知りました。

考え方も感じ方も、すべてが違う……と。その本質的な違いは、物事の捉え方であり、価値観の違いであり、マインドの違いなんだと思いました。

■うつ病を「癒す」ことから始めた

私が会社を辞めることになった直接の理由は「うつ病」でした。実は、メンタルやマインドセット云々の前に、病気療養することが必要でした。実際、一日の活動時間は夕方から夜中くらいで、あとはほとんど寝ていました。動けなかったので。

でもこれは、後に振り返ってみるととても良いことでした。精神状態がマイナスにある場合には、まずはゼロの状態になるまで「癒す」ことが必要です。

私の場合は、精神科で投薬治療をして休むだけでしたが、場合によってはカウンセラー等の専門家の力も借りた方が良いこともあるでしょう。

■ビジネスを進めながらマインドセットの課題に取り組んだ

うつ病が良くなってきて、マインドセットの課題に取り組むようになったのですが、一向にうまくはいきませんでした。それはこの記事の最初に述べたように、「マインドセット」として教えられたものが、ことごとく精神論だったからです。自分を追い込んで成果につなげることは、うつ病だった私には最初から無理なことでした。

が、結果的にこれが良かったのだと思います。自分を追い込んで行動させることができてしまっていたら、その誤った「マインドセット」で、ビジネスを進めてしまっていたことでしょう。

私は会社を辞めてしまっていて、貯金を崩して生活をしていたので、お金の面では切羽詰まっていました。だからビジネスに取り組む必要がありました。これも結果的に良い方向に働いたことになります。「マインドセットができてからビジネスに取り組む」なんて悠長なことをやっている場合ではなく、マインドセットも意識しつつもビジネスに取り組むことをやっていました。

ビジネスに取り組む中で、マインド面やメンタル面での課題にぶち当たります。その都度、認識を正すようにして考え方や価値観を修正してきました。

たとえばビジネスを始めた当初には、結果が出ないとすぐに不安になって行動が止まったり、他人と比較して落ち込んだり、ということがありました。その際には客観的に自分自身を見つめ、その背後にある思い込みや考え方の歪みを正すようにしました。

ブログに取り組んでいて、そういったことをアウトプットして整理することができたことは大きな意味がありました。また、心理学に触れる機会もあり、アプローチの仕方も知ることができました。

このような営みの積み重ねで、今があります。

そして誤解のないように言っておきますが、現在の私も「完全なマインドセット」を得ているわけではありません。以前ほどではありませんが、それでもメンタルやマインドの課題に直面することはあります。特に、ずっと一人でビジネスをしてきたのをチームでビジネスをするようになって、「人と一緒にビジネスをする」ことの中での課題に当たることが多くなりました。

歪みを正し自分を肯定することがマインドセット

特に日本人はそうなのかもしれませんが、自己肯定感が低い人が多いです。私もまさにそうでした。どうしても他人と比較しては、「自分が劣っている」と思ってしまいます。

たとえば、同じ取り組みをしている人が先に良い結果を出していて、自分はそこまで到達できていなかったとしましょう。その場合、「自分はダメなんだ」とか「結果が出せない自分には価値がない」と感じてしまうのは、歪んだ捉え方をしてしまっています。

先に結果を出した人が頑張ったからです。それだけです。他人を見て、自分についてどうこう言うのはおかしいのです。この認知は正す必要があります。

こういう思考や感情になっている自分自身に気づくことが大事です。気づかないことには修正のしようがありません。そのためには、日誌などを付けるのでも良いのですが、ブログを書くことはお勧めです。

いずれにせよ、客観的に自分を見ることが重要です。そのためには思考や感情をアウトプットして記録し、振り返る必要があります。

その上で、冷静にフラットな目線で評価するべきです。多くの場合は意識しないと自分自身のことをマイナスに評価してしまいがちなので、フラット以上にプラスで評価するようにするくらいでちょうど良いかもしれません。

できなかったことで自分を責めるのではなく、できたことをしっかり認めることが何よりも重要です。

そして、この取り組みはビジネスをおこなう中で進めていくのが一番の早道ということになります。

まとめ

ビジネスに取り組むにあたってマインドセットは重要です。

ですが、マインドセットは誤解されていることが多く、ビジネス塾などで語られる「マインドセット」は残念ながらほとんど精神論になってしまっています。

本当に必要なマインドセットは、ビジネスを淡々と継続して取り組んでいけるマインドでありメンタルなのです。なにかが起こっても落ち込んだり凹んだりしない精神状態です。

このマインドを手に入れるためには、逆説的ではありますが、ビジネスに取り組む中で自分自身を客観的に見つめることが一番の早道です。「マインドセットができてからビジネスに取り組もう」という考えでは、いつまでたってもマインドセットはできません。

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