こんにちは、TOSHIです。
私は現在、会社を経営し、自分でビジネスをしていてお客さんから直接お金を受け取っています。そのお金で生活をしているのです。
ただ私は、勤めていた会社を辞めて起業するまで、「自分でビジネスをする」ということも「お客さんから直接お金を受けとる」ということも、発想にすらのぼりませんでした。
お金を得るためには、「会社に勤めて、会社から給料をもらう」以外には、私の世界には存在しなかったのです。
これはとても不自由なことです。いろいろな働き方があって、それを検討したうえで自分にふさわしい働き方を選択できることが重要だと思います。
会社員として生きる選択肢以外なかった
典型的なサラリーマン家庭で育った
私は典型的なサラリーマン家庭で育ちました。父親が会社員で母親は専業主婦。父親は転勤族で引っ越しが多く、小学校は3つ、中学校は2つの学校に通いました。友達と別れるのは子供心にも嫌だったのですが、「お父さんの会社から言われたことだから仕方ない」で受け入れさせられてきました。
身近な大人に自営業をしていたり、会社を経営している人がいれば状況は違ったのかもしれませんが、そういう人もいませんでした。「お父さんは会社に勤めて働いて、給料をもらってくるもの」というのが当たり前だったのです。
大学生になって、周囲が就職を意識してソワソワしだします。3年生くらいになると、就活も始まります。そうなると、私自身も学生を終えて社会に出た後の身の振り方を嫌でも意識しないわけにはいきません。ちょうどその頃、私は塾講師のアルバイトを始めました。バイト代ですが、「給料」をもらうという体験を初めてしたのです。
予備校講師も公務員もサラリーマン
塾講師をやっていた頃はずっと、「予備校講師のような仕事のしかたも悪くないな」と思っていました。有名講師になって日本中の校舎を飛び回るような生活も夢に見たりしました。もちろん、そんな夢は微塵もかないませんでしたが。
父親からは公務員になることを勧められました。それも国家公務員ではなく地方公務員で、「あまり忙しくない」ところが良い、と。「決められた仕事を決められた時間きっちりとこなしていれば、安定して収入が得られる。やりがいは無いかもしれないが、休みもしっかり取れるのだから、仕事以外の時間でやりたい趣味などを目いっぱいやれば良いではないか」というのが父親の意見でした。父親自身は民間企業に勤めてきて、そういった公務員にならなかったことに未練があったようです。
私の中で想像できたものはそのくらいしかありませんでした。正社員として民間企業に勤める。予備校講師のように請負契約で勤める。もしくは公務員になる。そんなものでした。あとはアルバイト。
私はどうしたかというと、どれもピンとこずに先延ばしをすることにします。もっとも、アルバイトばかりしていて大学に行けておらず、卒業単位がそろっていなかったので、1年間は休学してアルバイトに専念してお金を貯め、そして大学院に進学することにしました。休学1年と大学院修士課程2年の計3年、先延ばしにすることにしたのです。
就職に思い悩み、あげくには・・・
それでもまったく考えは進まず、皆が就活をしている修士1年のときに自分一人だけまったく就活をしませんでした。この頃は株式投資のトレードに夢中だったこともありますが……。
博士課程に進学することも実は考えていました。が、研究室の方針とことごとく反する研究ばかりしていたため、指導教官から「お前の面倒は見ない」と突き放され、その道も断たれてしまいました。
それで修士2年の夏ごろ、ようやく就活を始めます。もはや周回遅れなので、まともな会社の応募は残っていませんでした。ほとんどヤケクソになって、商品先物取引の営業会社に就職することになります。いわゆるブラック企業でした。
2ヶ月もせずに退職し、契約社員としてまた塾講師になりました。最初の2年ほどは良かったものの、少子化による業績低迷やらで環境が悪くなってきます。職に就いたときの給料から昇給するどころか減給になっていきました。その反面、労働条件は過酷に。5年目の夏期講習中に倒れ、「契約社員には休職という制度はない」ということで退職になりました。
「正社員でなかったから、こんな目に遭うんだ」と思った私は、正社員として転職することを決意します。それで選んだのが拡大中の保険代理店。営業職なのでそこまで安定はしないものの、念願の正社員になります。
ちょうど2年目になったときに地方のフランチャイズに出向させられます。そこから1年間で4つの拠点を次々に異動させられました。会社員なら普通のことと思われるかもしれませんが、なかなか厳しい仕打ちです。個人向け営業なので、その土地で基盤を作って紹介をもらえるようになって初めて安定してくるものです。が、こんなに短期間で頻繁に異動させられてしまうと、そんなことは不可能になってしまいます。
さらに、あらぬ疑いをかけられて、何度も「ヒヤリング調査」と称する誘導尋問にかけられて追い詰められました。私を悪者にして責任を押し付けて、幕引きを図ろうとする意図が見え見えでした。
この件は何とか乗り切ったものの、精神的に疲弊して、うつ病になってしまいます。3か月の休職の後に、「それ以上の休職制度はない」ということで3か月以上の診断書が出た時点で退職となりました。
そこでようやく、他の道を探すことになります。やっと他に目を向けることになりました。やむにやまれず、ですが。生きるために。
「給料をもらう」しか発想がなかった悲劇
私には「会社で働いて、会社から給料をもらう」という発想しかありませんでした。もちろん、自営業とか、街で店などを目にしますし、そうではない働き方があるのも概念としては理解していました。が、「自分自身には縁がないもの」と、まったく別次元のものとしてしか考えられなかったのです。
情報発信ビジネスをするようになって、初めて売ったのは投資関係の情報教材で、アフィリエイトしたものでした。ASPを通じての販売でしたが、直接お客さんが決済したものがアカウントの売上に反映される、という体験をしました。
「お客さんが支払ったお金を直接受け取る」ということを初めて経験したのです。正直、気持ち悪さがありました。もちろん、販売の対価が受け取れたことは嬉しかったのですが、それ以上に申し訳ない気持ちや罪悪感のような気持ちが強かったのを記憶しています。
いわゆる「お金のメンタルブロック」というものですね。このメンタルブロックを外していくのも、かなり大変でした。
会社から給料を受け取るのは問題なくて、お客さんから直接お金を受け取るのは気持ちわるい……。給料を受け取るにしても、もともとはお客さんが会社に払ってくれたお金を集めて、それを給料として分配しているだけのこと。同じことなのに、感じ方がまったく違ったのは不思議なことです。
どっちが優れているか?ではない
現在、私は会社を経営していて、給料をもらうのではなく直接お客さんからお金を受け取っています。そのお金で生活をしているのです。
私はこうやって情報発信をしているわけですが、当初は会社員とかサラリーマンの働き方をボロクソに言っていました(笑)「会社に寄生しているだけで自立していない!」と。
でも、よくよく考えてみると「だから何?」という話ですよね。会社員が悪いわけでも劣っているわけでもないはずです。単に、私自身が会社員として不適合だったから、そこに怒りや憎しみをぶつけていただけに過ぎなかったのです。今なら冷静に、明確にそう言えます。
自分に合った働き方を選択すべき
大事なことは、会社員として給料を受け取る働き方か、自分でビジネスをおこなってお客さんから直接お金を受け取る働き方か、自分で選択できることだと思っています。
私には選択肢がありませんでした。もちろん、選択できる自由はあったわけですが、サラリーマン以外の発想がまったくありませんでした。だから当然ですが、自分でビジネスをするための訓練や勉強も一切してきませんでした。
会社員として給料を会社から受け取る働き方しか、この社会に無いわけではありません。そして、自分でビジネスをしてお客さんから直接お金を受け取る働き方が優れているというわけでもありません。
どちらが自分に合っているのか、どちらが自分にふさわしい働き方なのか、しっかり検討し、選択することが重要です。流されて決めてしまっていることが問題だと思うのです。