こんにちは、TOSHIです。
テクノロジーの進化や社会環境の変化によって、「自分自身がどんな人間関係の中に身を置くのか」ということを選択できるようになってきています。
かつては「与えられた人間関係」の中でストレスを感じながらも、どうすることもできませんでした。しかし、現在は違います。そしてその傾向は今後ますます加速していくはずです。
私自身も、人間関係をまったく選択できなかった会社員時代から、自分でビジネスをおこなうようになって、付き合うお客さんも、一緒に仕事をするチームメンバーも、能動的に選択できるようになりました。
人間関係を強制された時代
異動のたびにリセットされた人間関係
私は2007年春に大学院修士課程を修了して、社会に出ました。そこから2014年に会社員を辞めて起業するまで、7年以上にわたって会社勤めをしました。そこでは付き合う人間を選択する自由はなく、人間関係を強制されました。
この7年間、毎年必ず異動がありました。一番長く在籍できた職場でも、ちょうど1年間しかいられなかったわけです。もちろんその都度、職場での人間関係もお客さんとの人間関係も、すべてがリセットになりました。
職場での飲み会など、楽しかった職場もあれば、苦痛で仕方なかった職場もありました。人間関係は賭けのようなもので、飲み会が楽しい、良い人間関係ができた職場を去るのは辛かったですし、反対に飲み会が苦痛だった、良くない人間関係の職場では異動になるのが待ち遠しかったです。
もちろんプライベートな人間関係は自分で選ぶことができましたが、大部分の時間が仕事でしたし、職場での人間関係がほとんどでした。
たまたま良い人間関係に恵まれた職場にあたったときは、毎日も楽しく、人生の質も上がっていたように感じます。が、反対に良くない人間関係の職場になってしまったときは、本当に毎日がつらく、質の低い人生になっていたように思います。
自分で選択する余地のない人間関係に、自分自身の人生そのものの充足が左右されていると言っても過言ではありませんでした。
人間関係は自分で選択できなかった
でもこれは、私だけに限った話ではありません。
考えてみれば、生まれたときから人間関係は強制されているわけです。生まれてくる家庭は選べないですし、幼稚園や保育園を自分で選ぶことは不可能です。進学する学校は選べたとしても、先生やクラスメートを選ぶことはできません。会社に入ってからも、私ほど頻繁に異動があることはなくても、上司や同僚、配属される職場を選択できることはほとんどないでしょう。
自分に合う人を選んで関われる時代
2014年に起業をして、しばらくは自分一人だけでビジネスをしてきました。だから人間関係とは無縁になったのかと言えば、そんなことはありません。
ビジネスである以上、価値を提供して対価としてお金をいただくことが大原則です。その相手は生身の人間であって、人と関わらないわけにはビジネスは成り立たないのです。
価値観を共有できるお客さんと付き合う
いろいろなお客さんと取引をさせていただきました。自分と合わないお客さんもいましたし、お客さんとの関係に悩むこともありました。
ただ、私は情報発信をしていたので、コントロールできることに気づいたのです。自分自身の価値観をしっかり表現したり、伝えたいメッセージを明確に発信することで、合わないお客さんは来なくなりました。その価値観や主張に共感し、考え方や感性がある程度合った人が多くなったのです。
最初のうちは、「稼げますよ」とか「お金を増やせますよ」といった、メリットばかりを強調するようなメッセージを出していました。そのようなメッセージに反応して、「楽に稼ぎたい」という努力を嫌う人や、「お金を払うんだから、確実にお金を増やせるまで面倒を見るべきだ」というような依存的な人も集まりました。こういう人たちは、私としては「合わない人」だったということです。
そこでメッセージとしては「どんなことでも楽にできることなんてなく、努力の末に望ましい結果が得られるのです」とか、「自立していない人間が、お金を稼げるようになるのはおかしい」とか、自分の価値観をしっかり表現したものにしていきました。すると、お客さんになってくれる人は価値観の合う人ばかりになりました。価値観の合わない人は来なくなったのです。
これは、価値観の合わない人を排除した、というわけではありません。その側面もありますが、「より価値観の合う人を強く引き寄せることができた」という面が強いのです。これが濃縮集客です。
排除した「価値観の合わない人」よりも、引き寄せた「価値観の合う人」の方が、ずっと多いのです。
価値観を共有したメンバーと仕事をする
2018年夏から、チームでビジネスをおこなっています。一緒に仕事をすることが義務ではなく、「一緒に同じ方向に進みたい」という価値観の下に集ったメンバーが、理念やビジョンを共有して仕事をし、ビジネスを進めています。
「会社」という、誰かから与えられた枠組みで仕事をすることしか経験がなかった私にとって、未知の体験であり挑戦でもありましたが、とても順調に進められています。人間関係のストレスを感じることがほとんどありません。
もともとが同じ価値観を共有するメンバーであり、嫌いな人ではない、という前提で集ったメンバーであることも大きいでしょう。与えられた人間関係ではなく、自分で能動的に選択して得た人間関係で仕事をしているのです。まだまだ挑戦は始まったばかりですが、この先に大きな可能性を感じています。
価値観の合う人とばかり付き合うと成長がなくなる?
この話を聞いて、「価値観の似たような人とばかり付き合っていると成長がないのではないか?」と感じるかもしれません。自分と価値観や感性の異なる人と接することで、自分自身に無かったものに気づき、発見し、世界が広がっていくということも真実だからです。
しかし、その心配には及びません。完全に人間関係を選んで、その人たちだけと付き合うことですべてが完結できるわけではないからです。良くも悪くも、やはり社会生活を営む以上、様々な人と触れ合うことは避けられないのです。
もちろん、積極的に普段所属するコミュニティとは別のコミュニティに顔を出すことで、敢えて自分とは価値観や感性の異なる人と出会いに行くこともあるでしょう。それも大事なことです。
ただ、とりわけ普段のビジネスや仕事において、余計なストレスを抱えることは避けて良いはずです。多くの人にとって一番大きな悩みは人間関係ということなので、人間関係での悩みを減らせるのは意味のあることです。
価値観の合わない人とストレスを抱えながら仕事をするよりも、価値観の合う人と同じビジョンを共有して仕事に取り組んだ方が、仕事のパフォーマンスが良いに決まっています。
人間関係を選択できる
「人間関係を選べる」ということが重要です。かつては、人間関係を選ぶことはほとんどできませんでした。しかし、現在は可能になってきています。テクノロジーの進歩や社会環境の変化の影響も大きいでしょう。そして、この傾向はますます加速していくと考えています。
価値観の合う人を集めて、ストレスのない人間関係をフルに活用して仕事やビジネスのパフォーマンスを上げていくことができます。また反対に、価値観の異なる人と積極的に関わることで、自分の中にない考え方や感性を取り入れ、自分自身を磨くことも可能です。
どんな人間関係に身を置くのか、自分自身の意思で選択できる環境になってきているのです。誰かから否応なしに与えられた人間関係ではなく、自分自身が積極的に関わる人を決めて構築する人間関係に身を置くことができるのです。
これが人間関係を濃縮することであり、それがひいては人生の質を向上させること、すなわち人生を濃縮することにつながると考えます。