完璧主義をビジネスに取り組みながら克服する方法

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こんにちは、TOSHIです。

物事を完璧にこなさないと気が済まない性格や考え方のことを「完璧主義」と言いますが、これは様々なことに弊害を生じます。私自身も完璧主義の持ち主で、この性格には散々苦しめられました。

特に、ビジネスをするにあたっては破壊的なほどの障害になりました。

勤めていた会社を辞めて起業して、自分でビジネスをすることを決めて行動を始めたとき、一番最初に直面することになったのはこの完璧主義による壁でしたし、この悩みは長く続きました。自分でビジネスをする上で最大の弊害だったとも言えるかもしれません。

この記事では、私がどのように完璧主義に苦しめられてきたのか、そしてどのように乗り越えてきたのかについて、述べていきます。

真面目な表情

完璧主義がもたらした弊害

いつから完璧主義的な思考が身についてしまったのか、記憶は定かではありませんが、その兆候は小学生くらいのときからありました。その弊害を挙げだしたらキリがないのですが、目立ったものをいくつか挙げてみます。

ノートをきっちり取らないと気が済まない

小学生のときのノートは、なんとビッチリ字が詰まっています。余白があるのが許せないと思っていたようで、1ページが真っ黒になるまで隅から隅まで字で埋め尽くしていました。算数のノートなど悲惨で、計算ドリルでやっていた筆算をどう配置していけばキレイに埋め尽くすことができるのか、そんなことばかり「計算して」やっていたのを覚えています。

指導されたからなのか、さすがにビッチリ埋め尽くすノートは中学生ではなくなりました。その代わり、「キレイなノート」になっています。先生が黒板に書いたものをキレイに書き写していました。丁寧な字で、カラフルに。線を引くときはしっかり定規を使っていました。

そして「書くだけのノート」になりました。板書をとったノートで復習をした記憶がまったくありません。

本を最初から最後まで読まないと気が済まない

この傾向は、今でも油断していると顔を出してきてしまいます。

本を最初のページから最後のページまで、しっかり読まないと気が済まない読了したことにはできませんでした。

速読ができるどころか、読書スピードは遅い方なので、まったく本が読めませんでした。ただ知識欲があるのか、単なる見栄なのか、本を読もうという意欲だけはあるので、本を買ってきては積読(つんどく)が溜まっていきました。

「はじめに」から読み始めて、「おわりに」までしっかり間を空けずに読み通さないと満足できないのです。読みたい章が本の終わりの方にあっても、「その章だけを読む」ということが許しがたく、最初から読んでいくことを必ずしていました。そして大抵は、残念なことに、目当ての章までたどり着くことなく途中でその本を読むことを挫折してしまうのです。

ほとんど何の知識もつきません。効率の悪い読書でした。

その「効率の悪さ」は自覚していました。けど、頭ではわかっていてもどうしても気持ちが悪いのです。

なかなか掃除に取り掛かれない

掃除に着手するのが億劫で、ほぼ常に部屋が汚い状態でした。これが完璧主義と何の関係があるのか、一見するとわからないかもしれませんが、関係大アリです。

掃除にいったん着手してしまうと、完璧主義を発動して、隅々までしっかりバッチリ掃除をしてピカピカにしないと気が済まないのです。掃除を始めると必ず「大掃除」になってしまいます。

掃除をするということは、必ず大掃除になってしまうので、ちょっとだけ部分的に掃除をする、ということができませんでした。だから、時間がないときとか、体力的に余裕がないときとか、気持ちが乗らないときとか、要するに「完璧に掃除ができないとき」には掃除ができませんでした。

この例に出てきているように、「完璧にできないのだったら、やっても意味がない」と極端に考えてしまって、まったく着手しないのも完璧主義の大きな特徴であり弊害であると思っています。

受験勉強はできても大学やビジネスの勉強はできない

試験範囲の定まった勉強は得意でした。大学までの受験勉強や、社会人になってからの資格試験のための勉強などはうまくいきました。

学習範囲がすごく広いように見えても、範囲が決まっているので終わりがあります。完璧に一つ一つの用語や語句の意味を押さえ暗記していく、というようなことをやっていっても終わりに到達できるのです。

ところが、一般の勉強はそうではありません。大学での勉強は試験範囲が決まっていることもありましたが、そうでないことも多いです。自分の研究を進めるにあたって、必要な学びをすることは、まさに範囲がありません。どこまでも際限なく広がっています。

ビジネスの勉強にしてもそうです。そもそも「何を勉強すればいいのか」すらわからないところから、対象を決めて取り組むことにしても「これだけ学べば良い」という範囲はありません。

着手したは良いものの、完璧に進めようとして、まったく進んでいかないのです。最初のところだけ完璧に理解して頭に入れても、その後の膨大さに気が滅入ってしまって、「どうせやっても無駄だ」と感じて投げ出してしまうのです。

百害あって一利なしの完璧主義

完璧主義について語られていることも多いです。本やネットの記事などでも完璧主義について論じられているものをよく目にします。

「完璧主義には良いところも悪いところもあって、良いところを活かしていくようにしよう」というような論調のものも多く見かけます。が、これは私に言わせればまったく正しくないように思います。

完璧主義には「良いところ」なんて皆無で、害しかありません。少なくとも私の経験上、「自分が完璧主義で良かった」なんて思ったことは一度もありません。

完璧主義はスパイ工作でも利用される?

この話はどこかで聞いた話で、出典が定かではないので確かな内容ではありません。ただ、その話を聞いたとき「さもありなん」と思いました。

日本にいるとスパイとか工作員とか、馴染みはないものですが、外国では当たり前のように存在するものらしいです。日本人が「スパイ」と聞くと、それこそスパイ映画のような派手なものを想像してしまいますが、実際にはそうでもないということです。

他国から情報をとったり、自国に有利になるように他国に働きかけることを気づかれずに行うのがスパイです。スパイが他国や敵の組織をダメにさせる方法として「完璧主義を利用する方法」が語られていて、興味深かったのです。

例えば、ある会社Aを潰してやろうとライバル会社Bからスパイを送り込んだとします。このスパイはA社から機密情報を盗んだりすることもあるのでしょうけど、もっと効果的にA社を潰す方法がある、ということです。

それは、「もっと完璧に仕事をするべきだ!」と組織内で叫ぶこと、なんだそうです。そうすると普通に働く人たちの中にある完璧主義が呼応して、「そうだそうだ、もっと完璧にやるべきだ」となって、「そんな完璧じゃないものではダメだ。完璧にしよう!」という流れが生み出され、その結果組織の動きが完全に止まってしまう、ということです。

つまり、A社という組織そのものを完璧主義に陥らせるのです。「完璧に仕事をする」とか「完璧な商品を作る」とか、とても耳障りの良いことで、しごく真っ当なことを言っているように聞こえるだけに質が悪い。

これは組織の話ですが、同じことは私たち個人の中で起こっていることにも当てはまります。完璧主義に陥って行動がまったくできなくなる、というのは同じ原理でしょう。

そして、スパイ工作にも使われるのだとしたら、それほどまでに完璧主義とは破壊的で恐ろしい価値観であり性格だということになります。

完璧主義ではビジネスができない

私が起業して自分でビジネスに取り組むようになって、最初に直面したのが自分の中の完璧主義による弊害です。

ビジネスの勉強をするにしても、完璧主義が邪魔をして一向に進めることができませんでした。何かに着手しても、すぐに止まってしまいます。

そもそも何が完璧なのかわからない

これはビジネスに限った話ではありません。

当時の私の場合はビジネスに取り組むのは初の経験でした。それまではずっと会社員でしたし、ビジネス的なことと言えば、学生時代にちょっとだけ古本せどりをかじっただけでした。

体験したことのないことであり、やったこともないことなので、何をもって「完璧」なのかはわかりません。それでも完璧でないと気が済まないのが完璧主義です。

じゃあどうするかというと、他と比較します。私はブログに取り組んでいましたが、ネット上にある他のブログと比べて、自分の方が見劣りしそうなら「完璧ではない」ということになります。

結果、何も進まなくなります。

それもそのはずで、ネット上にはもう何年もブログに取り組んできたような熟達したスキルを持つブロガーのものもたくさんあります。そんなブログと、ブログを始めたばかりの自分のブログを比べて、劣るのは当然です。ちょっとやそっと根を詰めたところでかなうはずもありません。

「自分よりもすごいブログがたくさんあるから、自分がブログなんてやっても意味がない」と思ってしまって行動が止まってしまうのです。

失敗することを許せない

これも完璧主義の性格の特徴かもしれませんが、自分が失敗することを受け入れられません。失敗するくらいなら、「やらない」ことを選びます。

ビジネスというのは失敗の連続です。失敗を繰り返すことで成功に近づいていくものです。もちろん、大きな失敗をしてはいけません。小さな失敗をしながら、そこからフィードバックを受けて振り返り、改善しつつ次の手を打っていくものです。これ以外にビジネスをうまくいかせる方法はないでしょう。

それにも関わらず、小さな失敗すらも許容できないのです。いきなり成功できるように、完璧に準備をしてから発進しようとしてしまうのが完璧主義と言えるでしょう。

その結果、前に進むことができなくなってしまいます。

「完璧にできないから行動しない」という言い訳

ビジネスに取り組むことは、最初はワクワクするものですが、実際に取り組んでみると大変なことも多いです。

たとえばブログでの情報発信に取り組む場合だと、ブログを書き始めても、なかなか読んでもらうことはできません。ブログから何らかの反応を得たり、ましてやそのブログで販売する商品を買ってもらうなんてところまで到達するには、かなりの忍耐を要します。

腹を決めて「ビジネスに取り組む!」と決意したことも、厳しい現実の前で揺らいでしまいがちです。逃げたくなってしまいます。

完璧主義な人が皆そうなのかはわかりませんが、少なくとも私はこうでした。

「完璧にできないからやっても意味がない」という思考を大義名分にして自分に言い訳します。行動しない言い訳です。

「どうせ完璧にできないからやってもしょうがない」という理屈で、自分がビジネスに取り組むことから遠ざかることを正当化しようとしました。

完璧主義から脱した方法

ここまで述べてきたように、完璧主義は大きな弊害でした。当然、完璧主義を抱えたままではビジネスができません。ビジネスを始めた当初の私は、完璧主義から脱する必要がありました。

効果のあった方法をお伝えします。

「質より量」を意識する

まずは頭で理解することから始めました。

ただ、大前提として「完璧主義は悪だ」ということはわかっている必要があります。たびたび見かける論のように、「完璧主義にも良い部分はあるので、それをどう活かすかが大事だ」みたいなことを思っていると、道を誤ると思います。

「量より質」な部分は多いです。決して質を軽視するわけではないことは付言しておきますが、完璧主義の場合はそれすらも言い訳にしてしまいがちです。

なので、「質より量」と理解します。量がゼロだったら、質も何もあったものではないからです。

特にビジネスを始めたばかりの頃にはスキルがありません。だから、質の高いものを作ろうとするよりも、数をこなした方がスキルが早くつきます。

ブログだったら、質の高い記事を1週間かけて1記事書くよりも、そこそこな記事を毎日書いて7記事書いた方が圧倒的に力がつきます。

「数稽古なんだ」ということを意識しました。

「完璧にやらない」習慣をつける

「質より量」を意識したとしても、完璧主義は顔を出してくるものです。そんなに簡単に退治できるものなら、長い間完璧主義に苦しんだりしません。

頭で理解しているだけではダメで、身体で実践していく必要があります。

「人間の行動のほとんどは習慣から成っている」と言われます。実際、日常の行動を振り返ってみると、まず大部分が習慣であることがわかるでしょう。何も考えることなく無意識にやってしまえること、ということです。

頭で考えるから完璧主義が発動してしまいます。なので、考えないで行動することから始めました。

私の場合は、ある期間、ブログ記事を1日に複数アップすることを自分自身に課しました。ブログ記事を書くだけしかやることがないわけではないので、1日に2記事以上書き上げることはなかなか大変なことです。

さらに、時間制限をつけて、「1記事を書くのは1時間以内」ということも自分自身に課しました。1時間ではとてもではないですが、完璧な記事なんて書けません。どう見ても中途半端な記事になってしまうことも多々あります。

が、それでもアップしました。1時間で1記事をアップする、ということを1日に複数回やって、それをある期間毎日継続しました。ちなみに、一番多い日で1日に5記事アップしたことがありました。

最初はとても気持ちが悪いのですが、だんだんと記事をどんどんアップしていくのが快感になっていきます。そうなってくると完璧主義が顔を出す余地もなくなっていくはずです。

「完璧でなくて良い」ということを実感する

ここまでで完璧主義に陥らずに行動できるようになるのですが、それはあくまでも特定の一分野だけです。私の場合は、「ブログを書く」ということだけでした。他のところでは完璧主義が出てきてしまいます。

せっかくなので、この機会に完璧主義を退治できてしまえたら言うことはないでしょう。でも、ここまで来てしまえば退治できたようなものです。

正しい行動を習慣にして継続していけば、必ず結果が出ます。

私の場合は3か月もするとブログに読者がついてきました。コメントを付けてくれたり、メルマガ登録してくれるようになったのです。そしてほどなくして、そのうちの何人かが、私が紹介した商品を買ってくれて、ビジネスで初報酬を得ることができました。

「完璧じゃない」記事を書き続けて、その結果でした。「完璧でなくても良い結果を出せる」ことを、頭で理解しているだけではなく、腑に落とすことができました。

これを実感できると、完璧主義は薄れていきました。

まとめ

以上、私が完璧主義を制御できるようになった過程です。「制御」というのは、私の中から完璧主義が完全に無くなったわけではないからです。

完璧主義は無くなってはいないけれど、発動してしまったときに自分で気づき、その思考をコントロールして行動できるようになりました。

特に、ビジネスに取り組むとなると完璧主義は大きな弊害になります。完璧主義に支配されている以上、ビジネスをするのは不可能とすら思います。

ぜひ私がやってきたように、ビジネスで結果を出すと同時に、完璧主義も克服できるような取り組みをしてみていただければと思います。

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