こんにちは、TOSHIです。
「先生、明日は受験本番です。
緊張してどうしていいかわからないし、
不安で眠れないかもしれません」
「もうあきらめると良いよ」
生徒はキョトンとしていました。
これは、私が塾講師をしていた頃に
生徒とのやりとりの一場面です。
完全に言葉足らずだったと思いますが、
幸いにも、この生徒は合格してくれました。
もちろん、ここで言う「あきらめる」というのは
「合格をあきらめる」ということではありません。
「ジタバタするのをあきらめる」
「結果を引き受ける」という意味です。
なかなか日本語は難しいですね。
実際、この生徒は本当に努力して
その日まで懸命に勉強してきました。
前日にあたふたして、
一夜漬け的な直前対策なんてするよりも
心を穏やかにしてしっかり眠り
体調万全に本番を迎えるほうが
ずっと合格に近かったのです。
しかし、この「あきらめ」には
大きな勇気がいるでしょうし
覚悟がいります。
あたふたしていた方が気がまぎれます。
「受け入れる」というのは
ある意味で自分の運命のすべてを
何か大きなものに委ねることになるので、
それは怖いことでもあります。
それを乗り越えて、運命を受け入れたとき
大きな力を発揮できるのかもしれません。
何かを成す人は、そういう人です。
肝が据わっているように見えます。
逆に、うまくいかない人は
いつまでもあたふたしていて
「あきらめ」切れずに、勇気も覚悟もなく
ジタバタしているようです。
私自身のことを振り返っても、
うまくいったときは「あきらめた」とき。
「あきらめ」切れずに
あたふたジタバタしていたときには
大抵良い結果には結びつかなかった。
勇気と覚悟をもってあきめらること、
とても大事なことです。
生徒に「あきらめろ」と言った当時の私に
もっと理解と言葉があれば
うまく生徒に説けたのかもしれません。
もっとも、言葉にできなくても
伝わったからこそ合格できたのかもしれませんが。